廃車車両の譲渡
川崎市交通局で役目を終えた車両の多くは日本国内の地方事業者に譲渡されている。2000年以降、神奈川県を含めた首都圏が自動車NOx・PM法による排出ガス規制強化地域に指定され車両のライフサイクルが短くなったことなどから同年以降増加していて、北海道から沖縄県まで全国各地で見ることができる。
おもな譲渡先は、道北バス・苫小牧市交通部・ジェイアールバス東北・青森市交通部・宮城交通・茨城交通・関東自動車・川中島バス・山梨交通・北陸鉄道グループ・越後交通グループ・中国ジェイアールバス・広島電鉄・広島交通・沖縄バス・西表島交通などである。
また、一部の車両はミャンマー・インドネシア・スリランカなど海外にも輸出されている。
車両番号
川崎市バスの全ての車両には、リアウインドウに車両番号と連絡先が明示されている。
S 営業所
40 メーカーと
低公害車の可否
01 固有番号
例の場合、Sは塩浜営業所、4000番台は日産ディーゼル車であり低公害車である。
最初のアルファベットは営業所を示す。詳細は営業所の項を参照。
上2桁はメーカーと低公害の可否を示す。
1700・1800番台:いすゞ車
2700・2800番台:三菱ふそう車
3300・3400番台:日野車
4400番台:日産ディーゼル車
500番台:貸切専用車
1000番台:いすゞの低公害車(CHASSE,CNGノンステップバス)
2000番台:三菱ふそうの低公害車(MBECSII、III)
3000番台:日野の低公害車(HIMR、ブルーリボンシティハイブリッド)
4000番台:日産ディーゼルの低公害車(CNGバス、CNGノンステップバス)
下2桁は固有番号で、通しでつけられる。なお、番号が99まで到達すると00に戻り、上2桁目が1つ繰り上がる。
イメージキャラクター
イメージキャラクターはかわさきノルフィン。詳細は同項目を参照。
歴史
概要
川崎市の公営交通は、太平洋戦争末期に市電の運行からスタートした。戦前の川崎市内の公共交通は南武鉄道および、川崎鶴見臨港バス(概ね東海道線以南)・東京急行電鉄バス(同じく東海道線以北溝口まで)・南武鉄道(同じく溝口以北)のバス路線が主体となっていたが、戦争末期には川崎駅から臨海部の軍需工場への通勤輸送が既存のバスやトラックでは限界に達していたため、1944(昭和19)年10月14日に川崎駅から臨海部の間でまず路面電車(川崎市電)の運行が開始された。
戦後になり、民営バス各社が運休中であったことから、川崎市は市民の足を確保する目的で市バス運行を企画。1950年(昭和25年)に臨海部〜東横線の地域で運行を開始した。1951年、南武鉄道のバスを承継した立川バスより4路線を譲受。市内全域を運行地域とする。
また、同年には川崎駅前〜桜本でトロリーバスの運行を開始している。しかし、モータリゼーション化の波や設備更新、経営合理化などの影響から、まず1967年にトロリーバスが、1969年には市電が廃止され、バス専業となった。
その後は先発の臨港バス・東急バス、後発の小田急バスと競合しながらも路線網を拡充し、バス路線網は現在に至っている。
交通局は平成18年より、「川崎市バスニュー・ステージプラン」を導入している。これは、乗務員の待遇改善などのほか、共同運行路線・競合路線を委譲・委託することなどで経費節減を図るものである。これにより、共同運行している向01系統・競合している溝03系統を東急バスに移譲。競合により利用者の少ない溝04および溝05小杉線・等々力線の運行区間短縮を行ったほか、上平間営業所を平成19年4月より川崎鶴見臨港バス子会社の臨港グリーンバスに管理業務委託した。結果として、近年赤字続きであった交通局バス部門も2005年度はわずかながら黒字に転換するなどの効果が出ている。この政策は今後も引き続き実施され、2011年4月1日には鷲ヶ峰・井田営業所の一部路線を新設する菅生営業所(仮称。旧菅生出張所)へ移管すると共に、神奈川中央交通子会社の相模神奈交バスへ運行管理を委託している。
2007年3月18日にはPASMOが導入された。これにより順次小田原機器製の運賃箱に置き換えを行い、3月までに全車両への置き換えが完了した。
このほか、2000年頃より川崎縦貫高速鉄道の計画が具体化しているが、巨額の建設費用・運営費用と川崎市の財政状況の問題から、紆余曲折を経ている。新百合ヶ丘駅〜元住吉駅の当初計画で取得した免許は廃止され、現在は新百合ヶ丘駅〜武蔵小杉駅の計画が進められ、2010年着工・2018年開業が予定されている。
年表
1944年(昭和19年)10月14日 - 市電営業開始
1950年(昭和25年)12月15日 - 市バス営業開始
1951年(昭和26年)3月1日 - トロリーバス営業開始
1967年(昭和42年)5月1日 - トロリーバス廃止
1969年(昭和44年)4月1日 - 市電廃止
1975年(昭和50年)6月3日 - 市バス全車ワンマン化
1990年(平成2年)7月11日 - 深夜バス運行開始
1992年(平成4年)3月24日 - 全車冷房車化
1997年(平成9年)12月18日 - 東京湾アクアライン高速バス運行開始
1998年(平成10年)11月9日 - ノンステップバス運行開始
2001年(平成13年)5月11日 - 川崎縦貫高速鉄道、鉄道事業許可取得(初期計画)
2003年(平成15年)9月1日 - ラッピングバス運行開始
2004年(平成16年)4月1日 - 東京湾アクアライン高速バスから撤退
2006年(平成18年)4月1日 - 川崎縦貫高速鉄道、鉄道事業廃止(初期計画)
2007年(平成19年)3月18日 - PASMOサービス開始
2007年(平成19年)11月26日 - IC定期券発売開始
2010年(平成22年)6月30日 - バス共通カード・磁気式1日乗車券の発売を終了
2010年(平成22年)10月31日 - バス共通カード・川崎市バス専用カード・マリンカード・磁気式1日乗車券の利用を終了
|